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夫と老猫と私の引越し

今年の1月、満を持して、結婚以来住んでいた築20年2DKのアパートから引越しすることを決めた。夫婦10年目、小無し、猫あり。簡単に思えた引越しを、何故こんなに延ばし延ばしにしてきたか。そこには「二人暮らしだし不自由はないか」とか「お互い仕事も忙しいし」とか「引越しってお金かかるよね」といった、要約すると「めんどくさいよね」にまとめられる事情が存在した。そんな私たちの腰の重さを一瞬で軽くしたのが、9歳になる老猫の存在だった。一年に一度の健康診断で「慢性腎不全の初期だね」と言われたのだ。猫の慢性腎不全、結婚前に実家の猫がこれにやられて二匹亡くなっている。最期は1日に1回病院に通い、皮下点滴を施してもらう状態だった。そのときの経験がさっと脳裏に浮かんだ私は、動物病院の待合室で猫のゲージを膝に乗せた状態で、夫にこう電話していた。「動物病院の隣のアパート、空いてるから、引越ししよう」。夫は電話口で一瞬言葉に詰まったようだったが、こちらの緊張感が伝わったのか、「わかった。引越そう」と言ってくれた。そこからは早かった。内見時に即「ここに決めます」と決断。もちろん、水回りが古いだとか、一階だから防犯対策が必要だとか、気になる要素はいくらでもあった。しかし、一刻も早く、猫がまだ元気なうちに引越ししたかった。それと同時に、私は仕事を辞め、専業主婦になる決意をした。一秒でも長く、猫と一緒にいたかった。そんなこんなで手分けして身辺を整理し、必要書類を集め、業者を手配。この間、わずか1ヶ月。1ヶ月後には、私たち家族は動物病院の隣のアパートで新しい生活を始めた。住めば都とはよくいうもので、以前住んでいたアパートより部屋数が多く、心配していた防犯面も、夜にシャッターを閉じるのでさほど気にならない。3LDKの間取りいっぱいに猫と夫が走り回るが、一階なので下の人に気を使う必要もない。やはり2DKは雄猫には狭かったのだろうか。こちらに来てから、猫は見る見るうちに元気になった。引越し1ヶ月後の検査でクレアチンの数値が改善されていた。ああ、あのとき「めんどくさい」を捨てたのは正解だったな。猫と人間、時間の進み方が違うからこそ、決断するときには決断しなくてはならないのだと、引越しを通じて痛感した次第である。

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